最終更新日 平成24年11月30日
Windowsでrx-elf-gccを使用する際にはLinux環境を擬似的に再現するためCygwinかMinGWが必要になります。今回はCygwinを使った例を示します。
GCCというのは、GNUコンパイラコレクションのことで、CやC++などのコンパイラを含んだ開発環境です。
通常はCコンパイラのことを指します。
GCCはオープンソースのフリーソフトウェアであり、誰でも無料で使うことができます。
リンク時のサイズに制限はないので、128kBを超えるプログラムも生成することができます。
RX用のGCCはソースコードで配布されていますので、これを利用するには、GCCのコンパイラ自体をコンパイルして、実行ファイルをつくらなければなりません。これは非常に厄介な作業で、一回のコンパイルとビルドに4時間くらいを要します。
また、少しでも設定オプションを間違えるとビルドに失敗してしまって最初からやり直しになり、数時間の作業がムダになります。
どんなにGCCのコンパイルの経験があって手順がしっかりとわかっている人でも、最低丸1日かかります。
当社の場合では、いろいろな設定を行い、満足に使用できるCとC++のコンパイラを3日ほどかけて生成しました。ライブラリ等も揃っているので、printf や mallocなども使えます。
そのようにビルドされてすぐに使えるようになったGCCを、こちらで配布しています。
無料です。どなたでもダウンロードできます。
まず、Cygwinをhttp://www.cygwin.com/からダウンロードし、setup.exeを起動しインストールを始めます(動作確認は1.7.9-1版でのみしています)。必要なファイルをネットワークからダウンロードするため、開発するPCにもネットワークが必要になりますので適宜用意してください。
Cygwinのインストールが完了しても、デフォルトではパスが通らない(C:\Cygwin\bin以外からCygwinが呼び出せない)ので、Cygwinのパスを通します。
これで、どこのディレクトリからもCygwinを呼び出せるようになりました。
RX用の実行コードを生成するGCCはCygwin上で動作します。GCCを使用する前に、最初にCygwinをインストールしてください。
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cygwinのインストールが完了したら、デスクトップアイコンを作成した場合はアイコンをクリックしてCygwinのターミナルを起動します。デフォルトではターミナルでの右クリックによるコピーができないので、それを利用するための設定をします。 ターミナルを起動したら、タイトルバーをクリックし、プロパティーを開きます。 |
次に、簡易編集モードのチェックを入れます。
チェックを入れたらOKを押し、ターミナルに戻ります。そうすると、Windows2000の時のような左クリックによる範囲選択と右クリックによる貼り付けができるようになります。 |
rx-elf-gccを、まずこちらからダウンロードします。このページを書いた段階の最新版は2011/7/20のビルドが最新です。
ダウンロードが終わったら、tkdn-20110720-gcc.tar.bz2をc:\cygwin以下に置き、以下のコマンドをターミナルに打ちます。途中まで打てばTabキーでの補完ができます。
cd / tar xf tkdn-20110720-gcc.tar.bz2 mv tkdn-20110720 /usr/local/
コマンドの意味は、まずルートディレクトリ(Cygwinの場合はデフォルトでC:\cygwin/が/になります)に移動し、tarコマンドでダウンロードしたアーカイブを解凍し、できあがったディレクトリを/usr/localに移動するという意味です。
次のコマンドを打って同じように表示されれば成功です。
ls -l /usr/local/
結果
合計 0 drwxr-xr-x+ 1 hoge なし 0 4月 10 18:26 bin drwxr-xr-x+ 1 hoge なし 0 4月 10 18:26 etc drwxr-xr-x+ 1 hoge なし 0 4月 10 18:26 lib drwxr-xr-x+ 1 hoge なし 0 7月 20 2011 tkdn-20110720